障害者雇用代行ビジネスをお聞きになったことがありますか?

いくつもの企業から請け負って、障がいのある人を雇用している障害者雇用の代行ビジネスです。

請け負う企業も、利用する企業も、障害者雇用を面倒な事案と捉えているのです。

なんだかいや~な感じです。

30年ほど前に、ある企業向けのコンサルタントの方から、ノーマライゼーションについて、「現実を知らん理想論を言ってもねえ」と陰口をたたかれたことを思い出しました。

 たまたま、3月17日の西日本新聞に「雇用代行ビジネス事業者や利用企業が考えているほど雇用されている障害者は満足していない」との記事が載っていました。

「とても満足している」と回答したのが、利用企業は56.5%、当事者は17.6%、

「不満」と回答したのが、利用企業はゼロ、当事者は25.3%だったそうです。

 

先日、病院に勤務する作業療法士さんが見学に来られました。

障がい者雇用について、わからないことがあるので教えて欲しいとのことで来られました。病院全体で障がい者を雇用するためのプロジェクトを立ち上げ、1年かけて準備を進めて来たとのことでした。

その準備の一環で昨年、ジョブコーチ・ネットワーク主催の職場適応援助者養成研修を受講されたそうで、その際に、理事長の小川さんからジョブサポートのことを教えてもらったとのことでご連絡をいただいたのです。

 

障がい者採用募集のチラシの試し刷りや、「いくつかの職場のスタッフと話し合いながら仕事を切り出して、1週間分の業務として組み立ててみました」と、スケジュール表を数枚見せてくださり、「この通りにできないかもしれないので、今度私がやってみようと思っています」と言われます。

障がいのある人を職場に受け入れて、職場の一員として、しっかり働いてもらおうという本気度がよくわかり、お話を伺っていた私たちは、思わず顔を見合わせて「すご~い!」と言っていました。

うれしくなって,「障がいのある人を職場の一員として、しっかりと働ける職場を作っていくことは、柔軟な職場を作っていくことになって、障がいのある人のためだけでなく、障がいのない人たちにとっても働きやすい職場を作っていくんですよ」と申し上げると、

「はい、看護師長が『優しい職場を作りましょう』と言っていました」と言われます。

障害者雇用を、社会的な責任としてだけではなく、誰もが働きやすい職場にするための突破口としても、しっかり捉えておられたのでした。

 

最近、この病院のように、障害者雇用を、積極的な経営戦略の一環として進めている企業が増えていますし、どんどん増えていくと楽観しています。