通勤時、ラジオから、こんな声が聞こえてきました。

 

「キッチンで夕食の支度をする人がいます」

「オフィスで部下の資料に目を通す人がいます」

「パイロットになる夢を発表する子どもがいます」

 

「想像したのは男性の姿ですか?女性の姿ですか?」

「無意識の偏見に気づくことから、始めませんか」

 

 先日、福岡市から来た、障がい福祉サービス事業所向けの虐待防止に関する文書を読んでいて、書かれているイラストがまさに“無意識の偏見”そのものと思われました。

左側に女性1人、真ん中と右側に男性2名が描かれていました。

“虐待を受けたと思われる障害者を発見した人”と書かれている女性は、エプロン姿で、手を口に当てて「どうしよう」というふうに不安そうな表情です。現場のヘルパーさんを描いてあるようです。

一方、男性2名は、“施設長管理者”と“サービス管理責任者”と書かれていて、背広姿の“施設長管理者”と、ポロシャツを着た“サービス管理責任者”が、報告を聞いて「まいったなあ」「困ったなあ」という表情で腕を組んでいる様子が描かれています。

 

男性が管理監督者で、女性は現場で直接利用者さんへのサービスをする人という構図をわかりやすく描かれていました。

 どこの福祉施設でも見られる光景で、何の違和感も持たない人がたくさんおられるだろうなあと想像します。

 「何が変なの?」「たまたまそうなったんじゃない?」「実情をそのまま書いただけじゃないの?」ととか言われそうです。

 

そう、“無意識の偏見”そのものです。

 

 今だに福祉の現場は、圧倒的に女性が多いのに、施設長はじめ管理監督者は男性が多いのが、普通なのでしょう。

 今後、現場の経験を積んだうえで、管理監督者としての教育とトレーニングを受けた人が、性別に関係なく、その役目を果たすことになって欲しいと思います。