弱視の女性ユキコと、ヤンキーの男性森生との恋を描いたドラマ「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」を見ています。
 ユキコが白杖や拡大鏡を使っている様子を画面いっぱいに見せてくれるし、彼女の眼にはどんな風に見えているのかも、映像で見せてくれるので、見えにくさや行動の制約がリアルに実感できます。
 また、毎回、途中で障がいのことなどを軽いノリで解説してくれるので、視覚障がい者の困り感が「フンフン」「ナルホドそういうことなのね!」と理解できる上に、「隣のユキコちゃんがこんな風に困っているのね」という感じに受け止められるな仕掛けになっています。
 
 ユキコと森生との出会いの細かなディテールは覚えていませんが、白杖を使って通学中のユキコに一目ぼれした森生が「ユキコさんに会いたい、話をしたい」と、ユキコの通学路に待ちかまえて声をかけるところから、話が進んで行きます。
 一緒に歩いたり話を聞く中で、視覚障がいのある「ユキコさんが困っている」ことを知って「ユキコさんの役に立ちたい」と、森生は一生懸命考えて奮闘するのですが、点字ブロックの上に自転車が置いてあって、ユキコさんが通れないことに憤慨して、自転車を動かして自転車泥棒と間違えられたり、勘違いや一生懸命さ故の騒動など笑わせてくれ、見ている私たちも、「そうだよね~」と、森生の奮闘を応援しているのです。
 ユキコも、そんな森生の純な心に、だんだんと惹かれていくのですが、そんな中で、森生がふと「ユキコさんはふつうじゃないですか」と言う場面がありました。ユキコさんは「ふつう」だけど、僕は「ふつうじゃない」と。
視覚障がいがあるユキコを「ふつう」だという森生に、「エッ?」と、驚くユキコ。

 森生は、家庭を知らずに育ち、腕っぷしを頼りに、傷つきながら世界と戦ってきた青年で、顔には見る人をギョッとさせるような大きな切り傷もあります。ユキコは、両親や姉から大切に守られ、障がいを負いながらも元気で行動的な女性です。
 「ユキコさんはふつうじゃないですか」といった時の森生の顔には、大切に思ってくれる人たちに囲まれたユキコさんは、自分とは違う「ふつうの世界」の人だという、憧れと同時に悲しみも伺えました。

 「ふつう」ってなんだ?というのが、このドラマのテーマの1つのようです。
 私たち日本人は、「ふつう」という幻想を持ち過ぎていて、多くの人が苦しんでいるように思います。
 自分を「ふつうじゃない」と思って疎外されていると感じている人が、ちょっとでも目立つ他者に対して「お前は、ふつうじゃない」「変だ」「あやまれ」と攻撃してしまう。最近そんな話があふれています。

 このドラマが、「ふつう」「ふつうじゃない」をどのように描くのか、楽しみです。