就労継続支援B型事業には、支援の成果を評価する仕組みとして、工賃アップや直接就職された方についてはありますが、就労移行支援や就労継続支援A型への移行など、より納税者に近づくための支援については、評価の仕組みがありません。

 就労継続B型事業所は、「ずっと在籍して働き続け、より高い工賃を得ること」のみを目的とするのではなく、「将来に希望をもって働き、次のステップへの努力をする訓練の場」としての機能も期待されているはずです。

 今の就労系事業所の仕組みが作られた障害者自立支援法(現総合支援法)では、「就労継続支援B型事業所でしっかりと働く力をつけて」「就労移行事業所へ移行して就職をめざす」とか、「就労継続支援A型事業所で労働者として働くことをめざす」ことも想定した制度設計になっているのはないでしょうか。
 であれば、「就労移行支援を利用して就職が展望できるまで」「安定した通所と最低賃金以上が稼げて就労継続支援A型事業所への移行が展望できるまで」に、成長を促し準備を支援したその成果への評価をして欲しいと思います。

 実際のところ、企業との調整などを担う就労支援員が配置されていない就労継続B型から直接就職するのは、よほどの条件に恵まれないと厳しいです。
 昨年も、当事業所から直接就職された方がおられましたが、施設外就労先企業からの採用です。採用まで一緒に働いていた利用者さんと支援員がいつも目の前にいるし、何かあったら相談に乗ることもできて、企業もご本人も双方安心という仕組みが後押ししているのです。

 就労継続支援B型には、職業準備性について比較的重い方が利用されます。時間をかけて働く力を鍛えるためには、方法もかかる時間も一人一人違います。
 10年間在籍して準備を整え、就労移行支援事業を経て就職された方が、昨年も本年もおられます。この方々にとって、この10年は決して停滞の10年ではなく、さまざまな仕事を担当し働く経験を積み重ねて来られたからこそ、「企業で働く」をリアルなものとして展望し、就労移行支援へ移行し「就職」という目的を達成されたのだと捉えています。
 例えば、就労移行支援事業所へ移行して就職された場合、「就職をめざす」までに働く力をつけてきた就労継続支援B型事業所での支援の積み重ねも、その成果として評価されないでしょうか。

 また、就労継続A型事業所へ移行された方が、昨年も本年もおられます。
 「毎日安定して通所ができない」という課題や、働いた経験も乏しく作業性も低かった方が、安定した通所と最賃以上稼げるという評価を得て就労継続A型事業所に採用されまでに成長を促し支援した成果は評価されないのでしょうか。

 次のステップに送り出したら、就労移行支援事業と同じ様に、次の利用者を確保しなくてはなりません。
 新しい利用者の評価など支援を手さぐりで始め、将来に向けた希望を育てていく覚悟が必要です。そうした面も含めて評価の仕組みが欲しいと思います。

 いろんなニーズをお持ちの方が利用されるのですから、様々な就労継続B型事業所のカタチがあってよいとは思いますが、「ずっと在籍して働き続け、より高い工賃を得ること」のみを目的として福祉サービスを利用し続けるだけでなく、納税者へ近づき「より自立度の高い働く人」へ進むための支援を後押しする評価の仕組みを作って欲しいと願います。