世界中には、周辺国との争いや外国からの資源収奪や干渉の歴史など様々な要因で、社会システム整備が遅れている国や地域はたくさんあります。
 先般、アジアで、飲料水は池にたまった泥水しかない人々や、作った農作物が安くしか売れず貧困から抜け出せない人々への支援に取り組んでいる日本人が紹介されていました。

 紹介されていたお2人は、共に素晴らしいアイデアと実行力の持ち主でした。

 お一人は、泥水を飲める水に変化させる白い粉(!)を発明して、その国の住民の健康改善を図っておられました。納豆菌から創り出した粉を泥水の中に入れてかき回すと汚染物質がみるみるうちに沈んで、澄んだ飲める水に変わるのです。
 すごい発明です。
 そして、現地の人がきれいな水が飲めるようにその“白い粉”を提供するだけでなく、現地の人たちが、その“白い粉”を使ってきれいな水を作って販売したり、お年寄り世帯に配達したりする仕組みを作って、その地域の経済も回るようにするという、地道な支援を続けておられるのです。
 「池の水を飲んでいた時は、胃腸の具合が悪かったが、この水を飲めるようになって良くなった」というお年寄りの言葉は、私たちにとって当たり前のことが、当たり前のことではない、生きていくことすら厳しい国や地域があることを教えてくれました。

 もうお一人は、私たちが日常食べているもやしの原料である緑豆を栽培して、日本に輸出できるように図って、栽培農家の生活が成り立つように取り組んでおられる方でした。
 その地域は、元々緑豆を栽培していたのですが、粒も小さく品質も良くないので、安くしか売れず貧しさから抜け出すことができませんでした。
 その栽培農家に、日本に輸出できるような大きくて品質の良い緑豆を栽培できるノウハウを教えて、粒のそろった質の良い緑豆を日本に輸出できるように図られたので、栽培農家だけでなくその地域の経済が少しずつ良くなってきたそうです。
 
 このお2人のすごいところは、アイデアだけでなく、地道に現地に通い続け、現地の人たちができることを見つけて磨きをかけ、現地の人たちが、自分たちの地域の力で解決を図れるように、後押しをしておられるところです。

 長い年月の間には、きっと次々に課題やトラブルが出てきたことだろうと思います。
 それに立ち向かって解決を図り、その地域の住民自らが解決できるように地域の力を鍛えてこられました。

 このお2人のどちらかが言われた言葉が「微力だが無力ではない」です。
 ズンと胸に響きました。
 長い年月をかけた地道な行動から湧き出た言葉だからこそ、力強い言葉として、胸に響くのだと思います。