遺伝子など私たちの体の仕組みが、どんどんわかってきています。

 ある病気になりやすいから早めに手術しておいた方が良いとか、体の中の臓器同士が情報をやり取りして全体のバランスを取っているとか、お母さんのお腹の中にいる時から障がいがある可能性がわかるとか、いろんなことがわかってきて、これまで、自然に任せていた命や病気、障がいなど、コントロールできる部分が出てきています。

 痛いのはイヤダ、病気を早く治したい、この病気の原因はなんだ?この病気にかかる人があの地域だけ多いのはなぜだ?・・・・等々、私たちの先祖が試行錯誤して営々として蓄積してきた医療技術や様々な技術の発達発展があればこそ、私たちは、今の医療を享受できているのですから、分からない方が良いというつもりはありません。
 科学の進展は止めることはできないでしょうから、その変化の速さに、あっけにとられながら、その変化を追いかけるしかないのだろうと思っています。

 脊髄損傷の治療が現実的になってきているなど報道を見ると、即AさんBさんを思い浮かべて、その技術が進んでAさんBさんが歩けるようになることを期待しますし、かく言う私も、2,3年前白内障の手術をして世の中が明るく見えるようになりました。
 それでも、大自然を前にすれば、人間の技などちっぽけなもので、心の底から謙虚でなければ、とも思うのです。

 ところで、
 先般見たテレビドラマでは、外国から入ってきた感染病がテーマでした。
 日本にはなかった病気なので「日本人には抗体がない!」という設定で、人も物もどんどん国境も海も越えて往来している今の時代には現実味のあるテーマです。
 ドラマでは、一見何の関係もない人たちが何人も亡くなって行き、だんだんとある病原体の感染が原因であり日本にはなかった病気で「日本人には抗体がない!」のだとわかってきて、パニック状態に陥ります。
 治療法が分からない!どうやって感染していくのか?感染源は????と、追及する中で、亡くなった女性の子どもが感染源とわかってきます。
 その子は、感染しているけれど、全く発病していないので、隔離もされておらず、接触した人々が次々と感染して死亡していたというストーリー。

 もちろん、ドラマの世界ですから、最後は収束して「よかった!」となるのですが、このドラマの中で、ドキッと心に残ったフレーズがありました。
 「感染病は、金のかからない武器になるぞ!本人は気づかないまま、その地域や国をパニックに陥れることができる」と「君は人類の希望なんだよ」の2つです。

●「感染病は、金のかからない武器になるぞ!本人は気づかないまま、その地域や国をパニックに陥れることができる」
 病気やけがの治療や予防は、国とか地域とか紛争とかを超えた、人類共通の克服すべき課題のはずなのに、「感染病が武器になる」という思いもよらぬ悪魔の発想に、ゾッとしました。
 大きな戦争はないものの、あちこちで紛争が起こっている今、自国ファーストが蔓延する今、そして人も物も情報も、国や地域を越えて目まぐるしく動いている今、とてもリアルに響きました。

 「君は人類の希望なんだよ」は、次号で。