“ジョブサポート郷口”の就労継続支援B型事業やかつて実施していた生活訓練事業では、引きこもり支援機関や相談支援事業所からの紹介で、就労や社会生活につまづいて引きこもっていた人を支援してきましたし、今も社会の中で働き暮らすことを目標にして、がんばっている方がおられます。
 これまで“ジョブサポート郷口”での引きこもりの方々への支援は、お一人お一人の困り感や「働きたい」をどう支援するかという個別の問題として捉えて支援してきました。
 もちろん、その方の「長く引きこもっていて社会に出て行くことが怖い」「働いた経験がない」「働きたいけれどどうしていいかわからない」などの訴えのバックに、産業構造の激変、企業の雇用や職場環境の変化、家族関係や孤立化などの社会構造の変化があることは認識していましたが、ご本人の状況の背景として見た社会問題という捉え方で、支援してきました。
 日本社会の構造の問題だという視点を外しては、根本的な解決にはならないことは言うまでもありませんが、小さな事業所が取り組むにはあまりも大きな問題です。

 ところが、
 最近の報道等を見ていると、決してご本人の気持の問題やご家族の育て方の問題ではなく、日本社会の大きな問題として捉えられるようになってきたようです。
 婦人公論4月23日号に、高齢化しつつある引きこもりの人々についての考察と支援や当事者の思いなどが特集されていました。
 婦人公論は、華やかなファッションも載る大判の雑誌ですから、そんな雑誌に?!と驚きましたが、それだけ読者の強い関心があるということなのでしょうし、こんなメジャーな雑誌に取り上げられるようになったということは、それだけ大きな社会問題だと認識されてきたということだと、記事をコピーしてスタッフに配布したところ、翌4月19日の西日本新聞朝刊のトップ記事に、引きこもりの40代50代の人々とご家族の苦悩の実態が掲載されていました。

 引きこもっているご本人とご家族のつらさはもちろん、日本の将来にとって大きな社会問題であるにもかかわらず、その実態も正確には把握されていませんでした。
 200万人にも上るのではないかという精神科医もおられるとか。
 これまで見て見ぬふりをしてきた日本社会の病理であり、ずっと個人の問題として日本社会が見捨ててきた人々です。
 人口減少、労働人口減少という現実を前にして、「働けるはずだが働いていない人たち」として認識されたとみるのは、皮肉すぎるでしょうか。
 ともあれ、引きこもっている人達が「1回きりの人生」を「より充実したものにする」ために、様々な方面からの支援が必要な方たちだと、社会全体が認識するように動いていることは喜ばしいことです。