3月から、就労継続支援B型事業所“障がい者のはたらく拠点ジョブサポート郷口”に戻ってきました。

 2006年障害者自立支援法が施行された翌年開所したのが“障がい者のはたらく拠点ジョブサポート郷口”です。
 働きたい障がいのある人や働いている障がいのある人の、拠り所として機能したいと考えて始めた事業所で、福岡ジョブサポートの就労支援の原点です。

 当初は、就労移行支援と就労継続支援B型の多機能事業所としました。
 小さな福祉作業所でしたから、「早く就職したい」「しばらくはここで働きたい」「やっとここにたどり着いた、ずっとここで働きたい」「お友達がいるから楽しい」等々、いろんなニーズの方がおられたからです。
 その後、就労移行支援は“ジョブサポート馬出”に移して、“ジョブサポート郷口”は、生活訓練と就労継続支援B型との多機能事業所とし、3年余り前からは、就労継続支援B型の単独事業所となっています。
 制度の変化や、利用者さんの特性やニーズの変化に応じて、サービスのカタチや態勢は変わってきましたが、「地域の中で働き暮らすために、じっくり準備する場と時間を提供する」「具体的な仕事をメインにして支援する」という“ジョブサポート郷口”の目的と支援方法については変わっていません。

 毎日通って行くところがあり、自分は必要とされていると実感が持てる仕事があり、気軽に挨拶を交わせるなじみの人(利用者さんやスタッフ)がいるのは、人が元気に暮らしていくために必要不可欠なことですから、「地域の中で働き暮らすために、じっくり準備する場と時間」と「具体的な仕事」がある“ジョブサポート郷口”は、社会の中で働き暮らすためのトレーニングには有効な場だと思うのです。

 “ジョブサポート郷口”には、学校を卒業して間もない10代から、長く働いてこられた60代までおられますし、社会経験もさまざまです。
 事業所には、会うのが楽しみな人もいるけど、苦手な人もいるし、社会経験が乏しくて自分勝手な言動の多い青年もいれば、なかなか生活リズムが整わず欠席の多い人もおられます。
 着実にできることを積み重ねて頼りにされている方がいる一方、3歩前進3歩後退を繰り返している方もおられる。
 職業経験の豊富な50代60代の方の中にも、人生半ばで遭遇した障がいを受け入れて、新たな人生を創ろうと前向きな方もおられるし、中途挫折からなかなか切り替えられずに苦しんでいる方もおられる。・・・・と、社会の縮図と言ってよい多様性にあふれています。
 
 およそ1年半ぶりに戻ってきてみると、多様性という点では全く変わりませんが、少し静かになっていました。多様性の質が変わったのかもしれません。
 利用者さんとスタッフが一緒になって、この静かな“ジョブサポート郷口”を創っているのですから、今の利用者さんのニーズに沿った変化なのでしょう。
 
 20年前、
 私たちの社会は、障がいのある人が“地域の中で働き暮らす”ためには、大変な覚悟と負担を強いていると認識して、“障がい者のはたらく拠点”を作りました。
 働く準備をする場であり、働いて稼ぐ場であり、準備ができて社会に飛び立った後も、つらくなったら羽を休めに来る、お互いに情報交換もし、助け合える場・・・そんな場をイメージしていました。

 眼鏡をかけた人も障がい者と数えて報告をしていた等の、中央省庁の犯罪行為を例に引くまでもなく、障がいのある人が、この社会の中で働いて暮らすのは、今だに本当に大変です。
 まだまだ“障がい者のはたらく拠点”は必要なようです。