通勤時ラジオから流れてきた話に、ちょっと引っかかって「なになに?」と耳を傾けました。
 「初めは、家の近くをブラブラ歩くことから始めて、少しずつ距離を延ばして・・」という話です。
  “身体を鍛える”話のようなのですが、“ぶらぶら”歩くから始めるという話に惹かれたのです。
 寄る年波には勝てず、体のあちこちにガタが来ていて、困ったなあ、なんとかせねば・・とは思いつつ、がんばって運動するのは苦手だしなあと思っていたので、“ぶらぶら”でいいの?と惹かれました。

 「近くの低い山を登ることから始めて、だんだんと、それなりの高さの山をめざして・・・」
 「次には、足に重しを付けて歩いて・・・」
 「加えて、背中に藻重しを背負って・・」
 「だんだんと重しを重くして・・・」
 三浦雄一郎さんのトレーニング方法の話だということが分かってきました。
 南米大陸最高峰アコンカグア(6959メートル)をめざして、頂上を目の前にして断念したとの報道を聞いた後でしたから、思わず耳を傾けました。

 上記のように、無理をせず、少しずつ、コツコツと、積み上げて行くのが、三浦流との話。
 86歳で7千メートルの登頂をめざすという、想像もつかないすごいことにチャレンジする人のトレーニング方法が “少しずつ、コツコツ”・・・・。
 三浦さんは、超人ではなく、“ふつう”の人間だった!
 “ふつうでない”のは、その努力を続けていく意思と忍耐力なのでした。
 そうなのか!“あきらめないで続ける”ことができる三浦さんは、やっぱりすごい人なんだなあと、感心して聞いておりました。

 それから、もっと「おおお!」という話が続きました。
 三浦さんから聞いた話として、「自分がこれまで登山やスキーなどを続けてこられたのは、撤退する勇気があったからで、そうでなければ、どこかで死んでいただろう」「積み重ねてきたトレーニングや応援してくれたたくさんの人たち、多額の費用、・・等々考えると、撤退を決断するのはきついが、撤退したからこそ、今も続けることができている」というお話です。
 今回の南米大陸最高峰アコンカグア登頂も、主治医など周りの意見を聞いて撤退を決断されたと報道されています。「次をめざす!」という決意も表明されています。
 生きて帰れたからこそ、次がめざせるのですね。

 “撤退する勇気”・・この言葉は、今の私にはとても響きました。

 “障がい者のはたらく拠点福岡ジョブサポート”を始めて20年が過ぎましたが、初めて“事業所を閉じる”という重い決断をしました。
 就労移行支援事業所“ジョブサポート馬出”の分室である呉服町事業所を閉じ、3月11日“ジョブサポート馬出”に統合することとしたのです。
 呉服町事業所の利用が増えないこと、4階なので、建築基準法改正でも200㎡が適応されないことや緊急時避難の際の安全など諸々を考えての結論でした。
 天神から引っ越して2年も経っていませんし、かけた費用の回収もできていない中ですからずいぶん悩みましたが、事業所を閉じる決断をしました。

 理由はたくさんあっても、撤退は撤退ですから、さすがにがっかりしていましたので、三浦雄一郎さんの“撤退する勇気”という言葉は、胸に響きました。
 「そうだった! 続けていくための撤退だ」
 「どんな事業にも、うまくいかないことは起こる」
 「次に何をめざすのか?が大事だ」
 と、気持を切り替えることができて新たな行動を始めています。
 三浦雄一郎さんは、やっぱりすごい方です。