25年ほど前に、いろんな偶然が重なって就労支援の世界に迷い込んだ時は、ずいぶんと悩みました。
 入所の授産施設でしたが、施設の中では「作業ができる人」になり「いなくなっては困る人」にはなっても、そのまま企業就労に繋がるとは思えませんでした。 そもそも、この方たちは就職したいと思っているのだろうか? あきらめているのだろうか? 施設の中で働いて暮らして行くことに納得しているのだろうか? 施設の外で苦労するよりも施設の中が幸せだと支援者が言うのはなぜだろうか? 私だったらイヤダ。 授産施設の目的目標とすべきことは何だろう?  就労支援の専門性とはなにか? どうすれば企業が、障がいのある人を戦力として見るようになるのか?・・・等々、頭の中はぐちゃぐちゃでした。

 いろんな本を読み漁り、いろんな研修会を見つけて参加しました。
 そんな中で、光明のキーワードを2つ見つけました。

 1つは自立生活運動、もう1つはジョブコーチです。
 「自分の人生は自分で決める」「失敗する権利を奪うな」「障がいがあるから不幸ではない」「障がいがあったら不幸になる社会に生きていることが不幸だ」・・・という権利と責任を明確に持つ主張に共感を覚え、支援の柱を「自立」だと定めました。
 そして、
 「訓練して就職するのではなく、職場で訓練する」「仕事を教えるのは職場の人」「ジョブコーチは教え方を教えます」「ジョブコーチは職場と障がい者の調整役」「障がい者も職場も変化するから、ジョブコーチはずっと支援を続ける」「ジョブコーチ支援にはスキルがある」・・・・というジョブコーチ支援こそが、就労支援の柱だと確信しました。

 そのジョブコーチ支援の手法を学びたい、就労支援の専門性を備えたジョブコーチ育てたいと、当時、ジョブコーチセミナーを開催されていた仲町台センターの小川浩氏においでいただいて、2005年2月に、九州で初めてのジョブコーチセミナーを開催しました。
 以来、福岡をはじめ九州各地でジョブコーチセミナー(2日間)をずいぶんと開催してきました。
 後に設立されたNPO法人ジョブコーチ・ネットワークの理事長小川浩氏の、労を惜しまないバックアップとキリン福祉財団様のご支援があればこそ続けることができたと感謝しています。
 
 そして、
 2007年からは、厚生労働大臣が定める研修として、第1号(現 訪問型)職場適応援助者及び第2号(現 企業在籍型)職場適応援助者養成研修(6日間)を、3年に1回ほど福岡で実施してきました。
 そんな経過を経て、
 今回のジョブコーチ養成研修は、募集人数48名の2倍にあたる80名を越える申し込みがあり、加えて、企業在籍型のご希望も徐々に増えてきていることは、ジョブコーチの役割やそのスキルについて、広く認知されてきた証だろうと思います。

 受講生の皆さんは、とても熱心に学んでおられました。
 48名の方が、職場に戻り、学んだことを実践すると同時に、周りにジョブコーチ支援を拡げてくださることを願います。