福岡ジョブサポートは、“誰もが働きやすい地域社会を創ろう”を理念の1つに掲げています。
 また、“障がいのある人が働きやすい職場は誰にとっても働きやすい職場です”とも書いています。

 “誰も”とは?
 障がいのある人もない人も、女性も男性も、高齢者も若い人も、子供のいない人も育児中の人も、療養中の人も、妊娠中の人も、・・・・など、様々な背景や立場の人を含む言葉として書いています。

 職場に障がいのある人が混じると、これまで当たり前と思っていた仕事のやり方のままではトラブルが生じたり、伝えたつもりが正確に伝わっていなかったり、期待した成果を出せないことも起こります。

 障がいのある従業員の意見に耳を傾け、仕事のやり方や職場のレイアウトなどを新たな目で眺めてみると、ずっと何気なくやっていたことが、案外無駄な方法だったりして、職場全体にとっても思わぬ収穫があるものです。

 “障がいのある人が働きやすい職場は誰にとっても働きやすい職場です”なのです。

 19年前、いろんな偶然が重なって、ジョブサポートを始めました。
 始めるにあたって、
 私はなぜこの仕事をするのか?を、自問しました。
 男性優位の職場での女性の立場と、障がいのない人を前提に作られた職場での障がいのある人の立場には共通点があると思い当たりました。
 障がい者が1人もいない職場とか、男性だけの職場など、単一の集団の中に、異質の人間が入って行くことの大変さは、障がいのある人も、女性も同じだと思ったのです。
 この共通点と共感をとっかかりにして支援していこうと考えました。

 昨今、「セクハラ」被害にあったと、勇気を振り絞って声を上げる女性がでてきて、支援の輪も広がっています。
 私も、職場の宴会の席で、“五体満足”の男性職員に料理を取り分けてあげなかったことを指して「あれで女か?」と聞こえよがしに言われたことなどがあります。女性なら誰にも大なり小なり、女性であることで理不尽な思いをした経験があるだろうと思います。

 30年ほど前、アメリカの自立生活運動を体験し学んできた障がいのある人たちが、日本の自立生活運動を主導し、いくつもの自立生活センターができました。
 障がいがあっても、自分のことは自分で決める。私たちは、誰かに守られる存在ではない。失敗する権利もある。
 自分たち障がい者のことは、障がい者が一番わかるのだ、生きて行くために必要な支援を、自分たちで提供するのだという行動でした。
 ピープルファーストは「障がい者である前に人間だ!」という主張です。

 いずれも、人として当たり前に生きて行くことを侵害されたり奪われたことへの異議申し立てです。

 平和で穏やかな私たちの社会を大切にしたいと思いますし、歴史や文化も含め魅力ある国として世界中から高い評価を受けていますが、
 「セクハラ」という暴力を「セクハラという罪はない」「嵌められたのではないか?」と公言する人を大臣にしているのも、
「障がい者は生きている価値がない」という主張に賛同する人が少なからずいるのも、
 私たちの社会です。