“はたらく大人に フィット県庁前”は、福岡県庁と九大病院いう巨大な建物に挟まれて、大小さまざまな雑居ビルやワンルームマンションがある地域にあります。
 車の通りも歩道を行きかう人も多い地域ですが、県庁や九大病院に遠くから来ている車や人が多いのでしょうし、住民同士のつながりは感じられません。
 “フィット県庁前”が入居しているビルも、同じ階にはIT関連の企業、2階に精神神経科クリニック、6階には訪問介護事業所、・・・という雑居ビルで、夜は空っぽになるビルです。エレベーターなどで顔を合わせた時に挨拶するぐらいで、何階の人かも外部の人かも、まだわかりません。
 開所時にご挨拶に行った町内会長さんも、昼間訪ねて行ってもいない人が多いと嘆いておられました。

 そんな地域の一画で、生活訓練の利用者さんとスタッフは、ゴミ拾いを毎週1回続けてきました。

 利用者さんは、前々回のコラムで紹介しましたように、それぞれにこのボランティア活動に意義を感じてまじめにコツコツと取り組んできましたが、近くのお店の人から、胡散臭げな目で見られることはあっても、地域の方から声をかけられることもありませんでした。

 ところが、・・・・!
 4ヵ月を過ぎた頃、作業している所に近づいて来て、「何をしているの?」「なぜ・・?」と声をかけて下さるうれしい“事件”が起きました。
 “フィット県庁前 生活訓練”のことや、その中で取り組んでいるボランティア活動だということを説明すると、とても喜ばれて、できることがあれば協力したいと言ってくださいました。
 数日後、町内会長さんが拾ったゴミを入れるためのゴミ袋をたくさん持ってきてくださいました。声をかけて下さった方が進言してくださったのだと思います。
 
 これからも、生活訓練の利用者とスタッフが、地道にごみ拾いを続けます。
 この活動が、住んでいる所や商売している所、一日のうちの長い時間を過ごす職場のある、この地域の環境の整備に目を向けてくださる方を増やし、他者に目を向けないバラバラの地域が、緩やかに優しい地域に変わって行ったらいいなあと思います。
 
 また、福岡市が“花と緑あふれる潤いのある街「フラワーハートシティふくおか」”を目指して、道路空間を活用した花壇づくりを応援する「フラワーハートシティ事業」を実施していますので、それを活用して街路樹の下に季節の花を育てて、「歩道や街路樹をきれいにしましょう」「私たちの街を大切にしましょう」が、目に見える形にしたいなとも考えています。
 きれいな花の咲いている横に、台所ゴミを捨てるなんて人は、いなくなるだろうと思います。